「転倒予防=転ばない」だけじゃない!?転んだ時のケガ予防が重要!!
- 齊藤 亜沙美

- 2 日前
- 読了時間: 6分

こんにちは!
ストロークジムです!
「転ばないように気を付けましょう。」
健康教室や病院などで、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
もちろん、転倒を予防することは大切です。
リハビリの場面でも「転ばないように注意しながら」とお話をさせてもらうことも多くあります。
しかし、私たちは日常生活の中で100%転倒を防ぐことはできません。
外出すれば段差や滑りやすい路面がありますし、どんなに注意していても思いがけず転んでしまうことはあります。
だからこそ私たちが目標にしたいのは、「転ばないこと」だけではありません。
「転んでも大きなけがをしないこと」
これも、とても大切な目標です。
今回はそんな転倒予防について詳しく説明していきたいと思います!
目次
本当に怖いのは「転倒」ではなく「転倒によるけが」
転倒そのものが問題なのではありません。
問題なのは、転倒によって骨折や頭部外傷などの大きなけがを負い、それをきっかけに生活が大きく変わってしまうことです。
特に注意したいのは、
股関節周囲の骨折(大腿骨近位部骨折)
手首の骨折(橈骨遠位端骨折)
背骨の圧迫骨折
頭部打撲による頭蓋内出血
などです。
こうしたけがは、入院や手術が必要になるだけでなく、活動量の低下や筋力低下を招き、介護が必要になるきっかけになることも少なくありません。
転んだ時に「どこを守るか」が重要
脳卒中(脳梗塞/脳出血)後は、麻痺や感覚障害、バランス能力の低下などにより転倒のリスクが高くなります。
さらに、転んだときの反応にも特徴があります。
麻痺側に倒れてしまった場合には、とっさに手をつくことが難しく、肩や股関節を強く打ってしまうことがあります。
また、健側の手で体を支えようとして手首を骨折してしまうケースも少なくありません。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)後の生活では、健側の手は食事や更衣、移動など多くの日常生活を支える大切な役割を担っています。
そのため、健側を骨折してしまうと、生活への影響は想像以上に大きくなります。
また、後ろへ転倒した際に受け身が取れず、後頭部を強く打ってしまうこともあります。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)後はすでに脳にダメージが及んでいる状態の中でさらなる頭部外傷は命に関わる場合もあるため、特に注意が必要です。
転倒する時の癖を見つける!
転倒は偶然起こることもありますが、実際には同じような状況で繰り返してしまう方も少なくありません。
「立ち上がるとふらつく」
「方向転換でバランスを崩す」
「麻痺側へ倒れやすい」
「後ろへ尻もちをついてしまう」
このように、転び方には一人ひとり特徴があります。
そのため私たちは、「転ばないように気を付けましょう」とお伝えするだけでは終わりません。
まずは、
「前回はどのように転びましたか?」
ということを一緒に振り返ります。
どこで転んだのか。
どちらへ倒れたのか。
どこをぶつけたのか。
手は出たのか。
こうした情報を整理すると、その人の転倒パターンが見えてきます。
そして、
「もし次も同じように転んでしまったら、どうやって体を守るか」
を一緒に考え、練習していきます。
「転んだきっかけ」を見つける!
転倒したとき、「歩いていて転びました」というお話をよく耳にします。
しかし実際には、「ただ歩いていただけ」ということはあまりありません。
転倒の背景には、その瞬間の「きっかけ」が隠れていることが多いのです。
例えば、
歩いている途中で人や車が気になり、横を向いた。
荷物を持ちながら歩いていた。
足元ではなく遠くを見ていた。
麻痺側の足先が十分に上がらず、つまずいた。
急いで方向転換をした。
立ち止まろうとしてバランスを崩した。
このように、一つひとつの転倒には必ず何らかのきっかけがあります。
私たちは、その「きっかけ」を一緒に振り返り、なぜ転倒につながったのかを整理していきます。
原因が分かれば、「歩き方を変える」「周囲の環境を見直す」「注意を向けるタイミングを工夫する」など、その方に合った対策を考えることができます。
転倒は偶然起こるものではなく、背景にある原因を見つけることが、次の転倒予防につながります。
「転び方」を知ることも大切なリハビリ
リハビリというと、「筋力をつける」「バランス能力を高める」というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それらはとても重要です。
しかし、それだけではありません。
例えば、
後ろへ倒れやすい方には、外出時にリュックを背負い、後頭部への衝撃を和らげる工夫を提案する。
転倒したときに、どのように手をつけばけがのリスクを減らせるのかを練習する。
生活環境や動作を見直し、「転んでも大きなけがになりにくい方法」を一緒に考える。
このように、「転んだ後にどう身を守るか」まで考えることも、私たちリハビリ専門職の大切な役割だと考えています。
※転倒時の身の守り方や受け身の練習は、身体機能や麻痺の程度によって適した方法が異なります。
自己判断で行うのではなく、リハビリ専門職にご相談ください。
まとめ
転倒を100%防ぐことはできません。
しかし、転倒によるけがのリスクを減らすことはできます。
私たちが目指しているのは、「転倒しないこと」ではなく、「転倒しても大きなけがをしないこと」
そのためには筋力やバランス能力を高めることはもちろん、「自分はどのように転びやすいのか」を知り、「どうやって体を守るか」を考えることも大切です。
STROKE GYMでは、一人ひとりの転倒パターンや生活環境を確認しながら、その方に合ったリハビリを行っています。
「最近転びやすくなった」「転ぶのが怖くて外出を控えてしまっている」という方は、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。
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