【冬の寒暖差対策】血圧に与える影響＆リスクを下げる過ごし方
- strokegym
- 12 分前
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冬になると「朝だけ血圧が高い」「入浴の前後でドキッとする感じがある」など、寒暖差による体調の変化を感じる方が増えてきます。
特に脳卒中(脳梗塞/脳出血)を１度でも経験がある方は、血圧変動などは再発リスクにもつながりやすくなっています。
寒暖差は、私たちが思っている以上に 血圧を急上昇させ、脳卒中リスクを高める大きな要因となっています。
この記事では、寒暖差が体に与える影響と、今日からできる予防習慣をまとめました。
目次
寒暖差が血圧を上げる理由とは？
寒い場所に出た瞬間、体は「熱を逃がさないようにしなきゃ！」と自律神経が働き、 血管をギュッと収縮させます。
この血管をギュッと収縮させることで、血液の通り道が細くなり、血管の中を通る血液への圧が高くなります
特に急激な温度差を感じると手足などの毛細血管を中心とした、末端の血管はギュッと収縮しやすく血圧上昇につながりやすくなります。
また、暖かいところでは体内に熱がこもらないように血管を広げ、熱を汗と一緒に放出しようとします。
そのため、暖かい場所では寒い場所と比べると”血圧が下がりやすい”環境と言えます。
冬では温度変化が起こりやすく、屋内⇔屋外が最も温度差が出やすくなりますが、その他にも、
部屋と廊下の温度差
寝室とトイレの温度差
脱衣所と浴室の温度差
など、屋内だけでも温度差が起こりやすくなります。
この血圧の乱高下は、脳の血管に大きな負担をかけるため、脳梗塞・脳出血や心筋梗塞などの危険性が高まります。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)経験者が気を付けたいポイント
脳卒中後の方は動脈硬化や血管がもろくなっているなど、様々な理由で脳卒中を発症しており、健康な人と比べると脳卒中を【再発しやすい】状態とも言えます。
その他にも、
自律神経機能が低下ている
⇒「身体がだるい」「寝不足」「手足が冷えやすい」「やる気が出ない」「イライラする」など
運動量の減少により血管がダメージを受けやすい
「血の巡りが悪くなりやすい」「血流が乱れやすい」「血管が弱りやすい」
麻痺側の感覚が鈍いため「冷えに気づきにくい」
「手足の冷たさに気づきにくい」「体温変化に気づきにくい」「片側の手足が冷たくなってもわかりにくい」
という特徴があります。
つまり、寒さを感じる前に 身体の内部では血圧がすでに上がっている ことがあるのです。
特に以下のタイミングでは注意しましょう。
寒い朝の起床時
トイレ（便意による血圧上昇も重なる）
入浴前後
外出時の玄関
寒い屋外や車内への移動
これらの場面は、脳卒中再発のリスクが最も高いタイミング と覚えておいてください。
今日からできる寒暖差対策（環境編）
世界保健機構（WHO）のガイドラインでは、ヒートショックの予防のためには【室温を18℃以上に保つこと】としています。
特に以下のポイントを確認してみましょう。
✔「脱衣所・トイレ・廊下を暖める」
リビングなど常に人がいる空間は暖かくしていることが多いですが、脱衣所やトイレ、廊下などは暖かい空気を逃がさないために締め切られて冷え込んでいることがあります。
脱衣所は特に衣服を脱いで直接寒さを感じる場所であり、また浴室は暖かいのに脱衣所が寒いなど温度差が生まれやすい場所となっています。
小型ヒーター
ドアを少し開けて部屋全体の温度差を減らす
など小さな調整でリスクは大幅に下がります。
✔「寝室の温度を18～20℃に保つ」
暖かいリビングから寒い寝室、暖かい布団の中から寒い寝室など就寝前、起床後ともに寒暖差が起きやすくなっています。
また起床時には体を目覚めさせるためにモーニングサージ（morning blood pressure surge）という働きがあります。
これは、
寝ている状態（副交感神経↑）から起きた状態（交感神経↑）に切り替わる
活動するためのホルモン（コルチゾール、アドレナリンなど）が増える
身体を起こすこと重力により血液が下半身に集中するのを防ぐ
寝ている間に血液の粘度が上がる
など、起床に伴い、血圧を上昇させ体を活動状態に移行させる生理現象です。
モーニングサージに寒さが加わることでより体を温めなくてはいけないと脳がより活動的になり、血圧を上昇させる原因となってしまいます。
そのため、室温は一定にし、起床時の血圧上昇を防ぐようにしましょう。
✔「外出の前に玄関を少し暖めておく」
屋外⇒屋内へ移動すると外気温⇒室温の温度差を感じ取ることになります。
特に冬の北海道では屋外はマイナス温度になることが多く、マイナスからプラス温度になると急激な温度差を耐えなければなりません。
そのため、一番最初に入る玄関を”少し”温めておくことで温度差の落差を緩和させることができます。
血圧変動を抑える生活習慣（行動編）
✔「起きてすぐは急に動かない」
寝起きは先程もお伝えしたようにモーニングサージにより、血圧が上昇しやすい状態です。
目が覚めてすぐに身体を起こすと血圧変動が起きやすくいため、布団の中で
足首回し
ひざ立て深呼吸などをする
などの簡単なストレッチを行うことで血圧の急上昇を防げます。
✔「入浴の水温は40℃以下・10分以内」
熱すぎるお湯は血圧を乱高下させる危険が高いです。
脱衣所と浴室の温度差をなくした上でお湯の温度を38℃から40℃以下にしながら入浴しましょう。
✔「水分をこまめにとる」
冬は喉が渇きにくく、夏と比べると水分を取らないという方が多くいらっしゃいます。
しかし、冬でも夏と同様に水分が不足すると血液がドロドロになりやすくなるため、こまめに水分摂取する必要があります。
身体を温めるために暖かいお茶やコーヒーなどをとる方も多くいらっしゃいますが、お茶やコーヒーにはカフェインが多く含まれており、身体を冷やしたり、排尿を促す効果があるため、身体を温めるのとは逆効果になってしまいます。
麦茶を温めて飲んだり白湯を飲むようにし、胃腸を温めながらも水分摂取を行うようにしましょう。
✔「毎日同じ時間帯に血圧を測る」
変動に気づくことが最大の予防です。
同じ時間に諮ることでより変動しているのかを見極めるようにしましょう。
まとめ
冬は寒暖差が激しく、血圧が不安定になりやすい季節です。
特に脳卒中後の方は少しの寒さでも血圧が大きく上がることを理解し、環境調整や生活習慣の見直しがとても重要です。
小さな習慣の積み重ねが、➡ 脳卒中(脳梗塞/脳出血)の再発予防➡ 冬でも安心して過ごせる身体作りにつながります。
細かな対策方法などについては担当のリハビリスタッフや専門家（理学療法士・作業療法士など）にご相談の上決定するようにしていきましょう。
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