【冬の冷え対策】寒さによる痛みの予防とセルフケア
- strokegym
- 1 分前
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冬になると、「手足が冷たく感じる」、「関節や筋肉が痛い」と訴えたり、【体の動かしにくさ】を感じる方が多くいます。
特に、脳卒中(脳梗塞、脳出血)の後遺症の片麻痺や感覚障害がある方は、「血流が低下しやすく」、「体温の調節がうまくできない」うえに、「感覚が鈍いため痛みや冷えに気づきにくい」という特徴があります。
そのため、冬は特に「体が冷えやすく」、「関節痛や筋肉のこわばり」といったトラブルにつながりやすいのです。
この記事では、麻痺側の冷えや痛みを軽減するために、今日から取り入れられる「セルフケア」や「環境調整」の方法をまとめました。
目次
冬に麻痺側が冷える理由
麻痺のある方は、麻痺側と非麻痺側での冷え方が違うと感じる方が多くいらっしゃいます。
麻痺側の冷えが進む要因は次の通りです。
血流低下
手足の血流は、周囲の筋肉のポンプ作用により流れを強くします。
しかし、運動回数が少なくなってしまったり、筋肉自体が少なくなり、ポンプ作用自体が少なくなってしまうと血流が低下してしまいます。
発汗・体温調節機能の低下 脳卒中の後遺症の中には【自律神経】に影響を引き起こす場合も少なくありません。 自律神経が乱れると体温調節機能が低下し、身体を温めたいのに温めるために必要な血管の拡張が行えなくなっているなどの場合もあります。
関節の可動域制限 関節を動かさない期間が長くなると拘縮や固縮など関節の動きが制限される場合があります。
その際に関節の動く範囲が少なくなると筋肉の動きも一緒に少なくなってしまうため、手足の末端まで血流が行き届かなくなる場合があります。
感覚低下(しびれ)
感覚障害、特に表在感覚と言われる感覚は触覚の他に、温冷覚と言われる感覚があります。
温冷覚は手足で冷たさや暖かさ(場合によっては熱さ)を感じ取るための感覚ですが、表在感覚が低下することで寒さや痛みに気づきにくく、対応が遅れてしまう場合があります。
冷えによって起こる痛みやトラブル
冷えにより、以下のようなトラブルを引き起こしやすくなります。
冷えを感じやすいタイミングや冷えることにより起こりやすいトラブルを事前に確認し、予防するようにしましょう。
① 筋肉・関節のこわばり
身体は冷えていると感じると心臓や脳に血流を送るために手足などの末端の血流を少なくし、必要なところにしっかりと血液が循環するようになります。
そのため、末端の筋肉には必要な血液が届かず、こわばりを引き起こし、関節の動きも悪くなります。
具体例)
肘や膝が曲げにくくなる
手指の動きがこわばり、細かい操作がしにくい
起き上がりがしにくくなる
② 痛みの増強(神経痛やしびれの悪化)
血流の低下や筋肉の硬直により、痛みを引き起こす場合があります。
痛みにもいくつか種類があり、感覚障害による痺れなどが悪化しているという場合もあります。
麻痺側の手足がしびれる
ジンジン・チクチクとした痛み
これらは感覚障害を伴う痛みが起きた場合によく聞かれる痛み方です。
その他にも、
関節の重だるい鈍い痛み(ズーンとする)
ズキズキする痛み
が出やすくなります。
これらの痛みは寒さによる血流低下によるもので、普段は何ともないような軽い動作でも痛みが出やすくなることがあります。
③ 麻痺側の冷えによる生活の不便
冷えることで関節のこわばりや痛みが出ることがあります。
痛みやこわばりなどが原因で力が入りにくくなってしまうことがあります。
その結果、
踏ん張りが弱くなる
食器などが持ちにくくなる
細かいものがつかみにくくなる
衣服を着るときに手足が思うように動かない
睡眠中に麻痺側の足が冷えて目が覚める
など、「冷え=痛みや不快感=生活やリハビリの質低下」という悪循環が起こりやすくなります。
冬にやってほしいセルフケア・温め方

冷え対策の基本は 温めることですが、それとともに血流を促すことが重要です。
①道具を使って温める
寒くなるとカイロや湯たんぽを使用するという方も増えると思います。
冷えた箇所に直接当てるほうが温まりやすいと思われますが、効率的に身体を温める場合には以下のような大きな血管が通るところを温めることで手足も温まりやすくなります。
腋窩(わき) … 腋窩動脈
鼠径部(太ももの付け根) … 大腿動脈
首(頸部) … 総頸動脈
お腹(みぞおち〜下腹) … 腹大動脈に近い
冷えている感覚が強いという方はその他にも、
暖房器具やカイロで麻痺側の手足を温める
足先や手指は毛布や手袋で包む
関節にあたる部分は摩擦の少ない素材で保護
など、末端を温めるためにも工夫することでより効果的に温まりやすくなります。
最近では靴の中に入れる、もしくは靴下に貼るタイプのカイロやレッグウォーマー、温まりやすい靴下など様々なアイテムが売られています。
使いやすさや温まりやすさなどを考慮し、アイテムを探してみるのも良いかもしれません。
※注意点※
カイロや湯たんぽは直接肌に触れるようにせず、布越しに温めるようにしましょう。
直接肌に付けると低温やけどの原因になります。
特に感覚障害がある方の場合はやけどに気づきにくいため要注意です。
②入浴時の温め方
入浴は全身をお湯で包むため、身体を温める方法としてはかなり効果的です。
しかし、ただ熱いお湯に浸かるだけでは温まりにくかったり、皮膚や心臓などへの他のトラブルを引き起こす要因となってしまいます。
ぬるめのお湯(38〜40℃)でゆっくり浸かる
麻痺側も湯に浸かるよう姿勢を工夫
入浴後はしっかりと水気を拭きとり、服を着る
脱衣所と浴室の温度差が出ないように脱衣所も暖かくしておく
また、お湯に浸かるのが難しい方の場合にはシャワーを冷えた場所に直接当てるだけでなく、腋窩や鼠径部などの大きな血管が通っているところに当てることで温まりやすくなります。
シャワーの当て方も工夫してみましょう。
③室内環境の工夫
寒くなると暖房をつけると思いますが、暖房だけでは暖かさを感じにくいことがあります。
室内の湿度も暖かさを感じるためには重要なポイントです。
加湿器を使用したり、洗濯物を干したりなどしながら湿度50〜60%に保つようにすることで室内が暖まりやすくなります。
また室内の湿度があることで喉や鼻などの粘膜の保護にも有効なので、乾燥対策はしっかりと行いましょう。
血流改善・痛み予防の簡単エクササイズ
冷えや痛みを軽減するには、筋肉を動かすことも大切 です。
◆ 手指・手首の簡単運動
手のひらを開く→閉じるを10回
手首をゆっくり回す

麻痺側の手首をもってゆっくり回す
◆ 足首・ふくらはぎ運動
かかとを上げ下げするポンピング運動30回
足首を回す(内回し・外回し)各10回

安全な場所でゆっくり動かす(別法:ご家族様に行ってもらう)
◆ 全身の軽い運動
肩を回す

片腕ずつ胸を伸ばす様に行ってください ゆっくり膝の曲げ伸ばし
深呼吸で体温を上げる
まとめ:冬の冷えと痛みを防ぐポイント
冬の麻痺側の冷えは、血流低下、「感覚鈍麻」、「筋肉の硬直」が重なり、痛みや生活の不便に直結します。
しかし、「局所温め」、「入浴」、「室内環境の調整」、「血流改善エクササイズ」を組み合わせることで、痛みやこわばりは大幅に減らせます。
今日から取り入れられる方法から始め、冬でも快適に生活できる体を作っていきましょう。
エクササイズの方法などについては担当のリハビリスタッフや専門家(理学療法士・作業療法士など)にご相談の上決定するようにしていきましょう。
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