冬道を安全に歩こう!!―足首と足裏の感覚を鍛える「足関節戦略」トレーニング―
- strokegym
- 29 分前
- 読了時間: 6分

だいぶ北海道も寒くなってきてそろそろ冬の準備を考えることが多くなってきました。
北海道の冬は長く、外を歩くときは雪道やアイスバーンと向き合う毎日になります。
「滑らないように気を付けて歩こう」と思っても、実際には転倒してしまう方も少なくありません。
転倒は骨折や寝たきりにつながる大きなリスク。
だからこそ、冬が来る前から雪道に負けない身体づくりが大切です。
今回は、雪道歩行で特に重要な「足関節戦略」に注目しながら、足裏の感覚や足首の動きを鍛えるトレーニングをご紹介していきたいと思います!
目次
そもそも「足関節戦略」とは?
人がバランスを取るとき、体は無意識に3つの戦略を使っています。
足関節戦略(足首でバランス)
股関節戦略(股関節で身体を支える)
ステッピング戦略(足を出して体勢を立て直す)
2,3の股関節戦略、ステッピング戦略はイメージしやすいかと思います。
1の足関節戦略は意識されることが少ないですが、実はかなり重要なバランスの戦略になっています。
足首の主な関節は、

脛骨(すねの骨)
腓骨(すねの外側の細い骨)
距骨(かかとの上の骨)
この3つが組み合わさった「距腿関節」です。
上から脛骨と腓骨が“くぼみ”をつくり、その中に距骨がぴったりはまり込む形になっています。
この構造により、
前後の動き(背屈・底屈)はしっかり動き、横やねじれの動きは、靭帯が守ることで安定
という特徴があります。
足首には多くの靭帯がありますが、特に大事なのは
内側:三角靭帯(とても強い)
外側:外側側副靭帯(ATFLなど、比較的弱い)
靭帯の役割は、
「倒れそうになったときに、伸びて体を止めるブレーキ」です。
雪道では足が滑りやすく、衝撃吸収が難しいため、最初に働くのが足関節戦略です。
しかし、脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症などにより、足首が硬くなる、足首を持ち上げることがしにくくなる(できなくなる)場合が多くあります。
その結果、滑りやすい場面や路面変化に弱くなり、転倒につながりやすくなります。
これらの足首の硬さの原因は主に筋肉が強張っていることが原因であり、脳卒中(脳梗塞/脳出血)では、靭帯自体は損傷していないことが多いです。
筋肉の働きや感覚が低下し、強張ってしまうと靭帯がうまく守れない状態になります。
そのため、バランスを取りにくく、踏ん張りが利きにくいため転倒に繋がってしまいます。
足関節戦略を高めるメリット
足関節戦略を高めることにはいくつかのメリットがあります。
バランスを崩したときに体勢を立て直しやすくなる
バランスを崩した際にけがをしやすいのが足首です。
足首の捻挫などが多いですが、これはバランスを崩して姿勢を立て直す際に足首の力が足りず、靭帯に負担がかかり過ぎた結果となっています。
そのため、バランスを崩した際に足首の力がしっかりと入ることで体勢を立て直し、ケガを予防することにもつながります。
姿勢が安定し、歩幅が自然に広がる
足首の動きは歩行にも大きく影響しています。
地面を蹴り、前に進む推進力を得るためには足首の底屈運動が必要になります。
またバランスをとれることで推進力を無駄にせず、真っすぐ前の方に力を伝えることができることで姿勢が安定し、歩幅が広がりやすくなります。
また、姿勢が安定したり、真っすぐ進む力を無駄なく使えることで疲れにくい歩き方に繋げることも可能です。
足裏の感覚が良くなり、地面状況を察知しやすくなる
砂利道や砂浜、雪道などの不整地では特に必要ですが、地面がフラットではなく、でこぼこしていたり、少しだけ斜めになっていたりなど目で見て気づきにくいような状況を足で踏むと察知できることで転倒を防ぐことができます。
これは足の裏の感覚の他に足首の角度を認識する力(足関節の関節運動覚や位置覚などの深部感覚)が関与しています。
足関節戦略にも関与しているため、こちらも併せてトレーニングしていく必要があります。
足関節戦略を高めることは雪道だけでなく、日常生活での転倒予防にも役立つので、冬に限らずおすすめです。
すぐできる足裏&足首トレーニング
タオルギャザー(足指の筋力アップ)

目的
足指の力で地面をつかむ感覚を鍛える
方法
タオルを床に広げ、足指だけで手前にたぐり寄せる
左右10回ずつ×2セット
かかと上げ(ふくらはぎ・足首の安定性)

目的
足首の動きを強化し、バランス力アップ
方法
椅子や壁につかまり、かかとをゆっくり上げ下げする
10回×2~3セット
※ふらつかない範囲で、ゆっくり丁寧に行いましょう
足裏ゴロゴロ(感覚刺激)

目的
足裏の感覚を高める
方法
ゴルフボールやテニスボールを足裏におく
踵からつま先までボールを移動させる
土踏まずのところで内外に転がす
足の裏全体に当たるように円を描くように転がす(左右周り)
2~4を各10回×2セット
※痛気持ちいい程度に圧をかけるようにしましょう
片足立ち(バランス感覚強化)

目的
足首の反応力アップ
方法
椅子につかまりながら片足立ち20秒×左右2セット
余裕が出てきたら
目線を動かす
真っすぐ立つ→少し前後に体重移動
雪道を想定した“揺れる刺激”に対応できるようになります。
青竹踏み(足裏の刺激・アーチづくり)

目的
足裏の神経刺激、足指・足底筋の活性化
方法
青竹の上に足を乗せる(立てる方は青竹の上に立ちましょう)
青竹の上で足踏みをする
1~2分
※足の形がアーチ状になるように意識して行いましょう。
今回ご紹介した他にも足関節戦略を高めるトレーニング方法はありますが、お身体の状態に合ったトレーニングを選択することが重要です。
トレーニング方法などについては担当のリハビリスタッフや専門家(理学療法士・作業療法士など)にご相談の上決定するようにしていきましょう。
ストロークジムでは、皆さまからのご質問を随時募集しています。
リハビリに関するお悩みや、日々の生活での工夫、健康についての疑問など、どんなことでも構いません。
いただいたご質問には、できる限りブログの記事やQ&Aコーナーでお答えしていきたいと思います。
ぜひ、あなたの声をお聞かせください!
質問はこちらから↓↓
ストロークジムでは、
「お一人お一人に合わせたオーダーメイドのリハビリをマンツーマンの完全個別対応」
で受けることができます。
ご連絡方法はお電話・メール・LINEをご用意しています。
是非お気軽にご登録・ご相談ください。
ストロークジム公式LINEでは脳卒中の後遺症でお悩みの方への情報の発信や
無料相談を行っています。
LINEでのご連絡はこちら↓↓








コメント