冬に動かないと何が起きる?―脳卒中後の筋力低下の実際 ―
- strokegym
- 15 時間前
- 読了時間: 5分

こんにちは!
ストロークジムです!
最近も雪がなかなか減らず、外を歩くのが大変な期間が続いていますね。
北海道の冬は降雪、積雪などの影響から活動量が落ちやすい季節です。
外出頻度が減り、歩行距離が減少し、屋内中心の生活になります。
今回は【動かないことで起こる筋力低下】がどうして起こるのかをご紹介していきたいと思います!
目次
どのくらい動かないと筋力は落ちるのか?
脳卒中後はなぜ筋力が落ちやすいのか?
冬の活動量低下が重なるとどうなるか
どのくらい動かないと筋力は落ちるのか?
「少し動かないだけだから大丈夫」そう思いがちですが、筋力低下は想像より早く始まります。
健常成人を対象とした研究では、1~2週間の活動制限で約5〜10%の筋力低下が起こることが報告されています。
さらに重要なのはその後です。
別の研究では、短期間の不活動によって低下した筋力を元の水準まで回復させるのに、少なくとも同程度、あるいはそれ以上の期間を要したと報告されています。
つまり、「少し休んだだけ」でも、元に戻すにはそれ以上の時間と刺激が必要になる可能性がある、ということです。
「歩く距離が減る」「外出しなくなる」この状態が数週間続くだけでも、明確な機能低下が起こり得るということです。
北海道の冬は長く、積雪が12月からだとしても2~3か月以上の間、運動不足が続くとなるとその筋力低下を元に戻すためにも同期間が必要と考えるとかなり長期間のトレーニングが必要なことがわかります。
脳卒中後はなぜ筋力が落ちやすいのか?
脳卒中後(脳梗塞/脳出血)の方は、単純な「筋肉の不使用」だけではありません。
①神経入力の低下
脳卒中では、運動を司る神経経路にダメージが生じます。
筋肉は、脳からの「動け」という電気信号によって動きます。
通常は、【脳 → 神経 → 筋肉】とスムーズに情報が伝わり、必要な分だけ筋肉が動員されます。
しかし脳卒中では、この情報の通り道が傷つき、その結果
筋肉に十分な指令が届きにくい
必要な筋線維をすべて動員できない
力を出そうとしても“出し切れない”
という状態になります。
つまり、「筋肉が弱い」というより「うまく力を引き出せない」状態なのです。
筋肉には「閾値(しきいち)」と呼ばれる基準があります。

脳卒中後は、この電気信号が弱くなりやすく、閾値を超えられない筋線維が増えてしまいます。
その結果、出せる力が小さくなります。
②神経入力の低下により筋萎縮が起こる
脳卒中後は、筋肉そのものが弱くなるだけでなく、バランスを取る力や、歩くときに踏ん張る力が低下しやすいことが知られています。
特に、
立ち上がる方向を変える
つまずいたときに踏ん張る
といった動きに必要な力は、活動量が減ると影響を受けやすい部分です。
脳卒中後は、神経から筋肉への指令が弱くなることで、動かしにくい筋肉が生じます。
その結果、使われる機会が減った筋肉は徐々に細くなり、これを「筋萎縮」と呼びます。
特に、
立ち上がりや歩行に関わる太ももの筋肉
身体を支える体幹や股関節まわりの筋肉
は影響を受けやすいとされています。
③麻痺側だけでなく非麻痺側も弱くなる
研究では、麻痺側だけでなく非麻痺側も健常者より筋力が低下していることが示されています。
活動量の全体的低下
代償動作の偏り
左右非対称の負荷
などが影響するとされています。
つまり、「麻痺側を使っていないから弱くなる」だけではなく、全身的な筋力低下が起こってしまいます。
冬の活動量低下が重なるとどうなるか
脳卒中後はもともと
神経的制御の低下
筋線維の萎縮傾向
活動量の減少傾向
があります。
そこに「冬の外出制限」が加わります。
これは二重の不活動になってしまっており、筋力低下が促進されてしまう形になります。
また、冬の間に筋力が低下していますが、雪解け後、急に活動量が上がると筋出力が追いつかない状態で外的環境の変化にさらされてしまいます。
これが転倒リスク増加につながります。
また北海道の雪解け時期は湿った雪で足場が安定しない、滑りやすいなど、転倒リスクが高い環境となっているということも転倒が増える原因となっています。
そこで筋力低下を防ぐために重要なのは「筋肉を鍛える」ではなく「神経‐筋の出力を維持する」ことになります。
脳卒中後の運動では
十分な強度
正しい動員パターン
左右バランス
速い収縮刺激
が必要になります。
ただ漫然と回数をこなす、負荷を上げて筋トレをするという内容では脳卒中後のリハビリでは不十分となってしまいます。
「最近歩きが不安定かもしれない」、「冬の間に弱くなっていないか心配」そう感じたら、一度客観的に状態を確認することをおすすめします。
機能低下は静かに進みます。ですが、適切な刺激があれば止めることは可能です。
冬の過ごし方を工夫することで春の安心できる活動に繋げられるので、冬の間のリハビリをもう少しの間頑張りましょう!
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