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脳梗塞後遺症における"自分の内部を感じる感覚"①・・・「固有覚」について







こんにちは!ストロークジム札幌です。


日が短くなってきましたね。

寒さも徐々に増してきて、外出する機会や時間が少しずつ減ってきた方も多いのではないでしょうか。


外からの刺激も脳には大切ですが、今回は「自分の内部を感じる感覚」の話をしたいと思います。




【目次】





「感覚」の種類


私達に馴染みのある感覚として「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」があります。

いわゆる「五感」と呼ばれる感覚ですね。


しかし今回は、それとは少し異なる感覚について解説します。




固有覚とはなにか


少し専門的な言葉ですが、「固有覚」という感覚があります。

この「固有覚」が、「自分の内部を感じる感覚」です。視覚や聴覚が「外の情報(景色や音など)をキャッチする感覚」であるのに対して、固有覚は例えば、動作や運動をした時に、自分の体がどのように動いているのかを感じる感覚です。


脳梗塞や、その他の病気や怪我による「麻痺」といっても、「運動麻痺」と「感覚麻痺」があるように、「感覚麻痺(感覚障害)」と一言で言っても、「表在覚の障害」と「固有覚(深部感覚)の障害」(またはその両方)とがあるのです。


「表在覚」と「固有覚」は、脳の中でも担当している部分が違うので、例えば自分の脳梗塞は「表在覚」には影響がないけれど、「固有覚」には脳梗塞後遺症が出てしまった、ということもあります。




出来ているつもりなのに出来ていないのはなぜか


固有覚は「運動の調整」ととても深い関係にあります。運動の調整は、生活の中で、自分がやろうとした動きを、思った通りに実行するために必要な能力です。


私たちが歩く、階段昇降する、リハビリでセラピストから指導された運動をやってみるなど、様々な動きをする時、脳から筋肉などに指令を送って体を動かしています。


実はこのとき、筋肉や関節がどのようになっているのかの情報を脳に送り返す、ということもしていて、これを「フィードバック」と言います。うまくいった時、また、うまくいかなかった時、それぞれの固有覚の情報が脳にストックされ、少しずつ安定した動きができるようになってくるのです。


脳梗塞後遺症などで、固有覚の情報が脳に送られなかったり、情報を脳でうまく活用できなかったりすると、自分の体がどのように動いているかを適切に判断することが難しくなります。そうすると、力の加減がうまくできず、「椅子の真ん中に座ったと思ったのにお尻がはみ出していた」とか、「セラピストの指導と同じようにやったつもりなのに全然違った」といったことが起きやすくなります。




「私はこう感じた」というのも重要な情報です


先ほども言ったように、少しずつ安定した動きができるようになっていくためには「うまくいったときの情報」だけでなく「うまくいかなかった時の情報」も必要です。


例えばリハビリ中、「もう少し右足に体重をかけてみましょう」と言われて立ち上がり動作の練習を始めたけれど、実際には右足にほとんど体重がかからず不安定だったとします。


こんな時、

「でも私は、右足に体重をかけているつもりです」

なんて言うと怒られそうですか?そんな心配は必要ございません。

セラピストにとっては、それも大事な情報なのです。


うまくいった時も、いかなかった時も、自分がどう感じているかはできるだけそのまま伝えてください。セラピストも、そこからまた考えを深めることが出来ます。

一緒に進んでいきましょう。




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