自助具の紹介Part3 食事動作の容器や周辺環境編

こんにちは!ストロークジムです。
前回は自助スプーンについて簡単にご紹介しました。
まだ見てない方はこちらからどうぞ!!
➡『自助具の紹介 食事動作のスプーン編』⇦
食事動作の自助具には道具だけでもたくさんありますが、
今回は容器や周辺環境についてご紹介したいと思います。
【目次】
1.皿の歴史
2.容器は置くの?持つの?
3.食事動作における自助具3選
1.皿の歴史
皿にも箸やスプーンのような歴史があります。
特に日本では陶芸やガラス細工等々現代ではお皿の素材や楽しみ方も増えています。
「器」は日本の古くからあり、皆さんも小さいころ勉強された縄文時代で有名な縄文土器からといわれています。
食料などを煮たり貯蔵するために用いられていたとされています。
そして、弥生時代には縄文時代よりも軽めに作られた弥生土器が有名ですね。
形も丸みを帯びているものが多いのが特徴です。
紀元前16年頃(日本の弥生時代中期頃)に中国で青銅器として祭祀(さいし)や饗宴(きょうえん)の時に手を洗う水を受ける器として使われていたようです。
この頃の朝鮮半島など大陸から日本に移り住んだ人々によって青銅器や鉄器などの文化が盛んになりました。
また、現代でいう「皿」は「器」ではなく「盤」として言われ、この時代からお皿は使われてきたとされています。
平安時代に入り銀盤、木盤、土盤、陶盤などお皿に素材の変化が出てきたそうです。
室町時代から安土桃山時代になると「おてしょ皿」と呼ばれる現代の「小皿」が増えたり、江戸時代には「磁器」という現代の色彩豊かな「お皿」が増えてきたと言われているそうです。
このお皿に関しては諸説色々あるので皆様も調べてみてください。
2.容器は置くの?持つの?
西洋文化ではテーブルマナーがあり、皿を持ち上げるのはマナー違反でした。
しかし、日本は畳の上での生活が多く、江戸時代ではお膳の上にお皿を置いて食事をしていましたが、お膳と口元には距離があること、和食は黒豆やきんぴら、お魚料理など細かな料理が多いので落としやすい事などの理由から持って食べるのが主流になったそうです。
ですが、日本の食事マナーでも持っていい器と持ってはいけない器があります。
持っていい器は「ごはん茶碗」や「お味噌汁のおわん」になります。
持ってはいけないお皿は「お魚料理」や「揚げ物料理」などの主菜となる料理です。
また中皿や大皿といったものを持ち上げるのはマナー違反になります。
3.食事動作における自助具
食事動作で使用する自助具は箸やスプーン・フォークなどの持つものだけではありません。持たないものにも工夫が必要な方も多いです。特にスプーンですくった際にすくいきれずに食べ物を落としてしまうとかが言えます。そういったことにも自助具が活躍します。
〇自助食器
こちらは既製品になります。
皿の形状が片方だけ深くそしてすくい上げる際にひっかけやすくなっています。
また、皿が滑らないように底には滑り止めマットが敷いてあります。
この製品によて片手で食べる際に食べこぼしを減らすことができます。
また、脳梗塞後遺症の中に半盲や半側空間無視といった視覚に関与する障害もあります。
こちらのお皿を使うことで視覚によって食べることが出来なかったものが食べやすくなるといった商品になります。
高齢になってくるとしっかり食べ物をすくうことができない方も増えてきます。

〇取って付きおわん
こちらも既製品のものになります。「取って付きのおわん」です。
おわんに取ってがついていることによって掌全体で持つことが出来るので利き手交換をした片手でもお味噌汁を飲むことができます。
また、麻痺側で持つことはあまり推奨していませんが、麻痺側手を添えることを練習することも可能かと思います。
半側が麻痺になることで食事場面に麻痺側が食事に参加しない方を多く見ます。
それによって麻痺側手の機能が低下していきやすいので注意が必要です。

〇肘置き
こちらは自助具とは異なります。
脳梗塞後遺症に伴い半側が麻痺で、食事に麻痺側の腕が放置されている事が多いです。
前述でも記載した通り食事場面で麻痺側の腕が参加しない限り機能改善には至りません。
また、麻痺側の腕は重く重心が傾きやすいです。
そのような状況だからこそテーブルの上に麻痺側の腕を置き、姿勢を整え、視界に麻痺側の手が入ることが大事だと感じます。
ですが、テーブルの上に置くと腕が邪魔で食器が置けないといったこともあります。
そのため、肘置きを使用しているテーブルに設置することで食事中も麻痺した腕を置き続けることができるので最適かと思います。
