脳梗塞の後遺症の中に“感覚障害”というものがあります。
感覚障害があると、手足がどこにあるのかわからないという方や地面に足がついている感覚がない、物を触っているかどうかわからないなど様々な場面で影響が見られます。
その他にも手足が常にびりびり・ズキズキする、しびれているような感覚なども感覚障害の内の1つです。
これらの後遺症は長期間続くこともあり、毎日のことになるとストレスとなってしまいます。
今回はそんな感覚障害の原因と解消法などについてご紹介していきたいと思います。
目次
感覚とは?
『感覚』を辞書で引くと、
外界からの光・音・におい・味・寒温・触などの刺激を感じる働きと、それによって起こる意識。視覚・聴覚・嗅覚 (きゅうかく) ・味覚・触覚や、温覚・冷覚・痛覚など。(goo辞書より)
上記のように表記されています。
感覚とはそもそも視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚と言われる五感のほかに表在感覚、深部感覚があります。
表在感覚
触覚、痛覚、温度覚というような皮膚に当たった感覚を感知する感覚を指します。
深部感覚
関節運動覚、位置覚、振動覚など体の深層(骨や関節にある神経)で感知されるような感覚を指します。
感覚障害の確認方法
感覚障害と言ってもどの感覚がどの程度障害されているのかを確認する必要があります。
お身体の状態をしっかりと把握することが最初のトレーニングになります。
病院に入院している場合やリハビリ施設に通っている方の場合はリハビリスタッフが検査をしている場合もあるかと思います。
しかし具体的にどの程度感覚障害があるのか、長いことリハビリを受けていないという方の場合は感覚障害の程度についてわからないという方もいらっしゃると思います。
今回ご紹介する方法はご自分で行っても大まかには確認できますが、タイミングや触れた力加減などが分かってしまうため正確に感覚障害を確認することは難しくなってしまいます。
正確に確認するためには触れる、動かすなどはご自分ではなく、他の人に行ってもらうようにしましょう。
以下に感覚の種類別に簡単な検査方法をご紹介するので、試してみていただければと思います。
痛覚の確認方法
針やクリップを一方だけを伸ばした状態の物を用意します。
指先や足先に軽く押し当てます。
痛みがある⇒正常
当たっている感覚はあるが鈍い⇒中等度鈍麻
全くわからない⇒重度鈍麻
触覚の確認方法
筆やティッシュペーパーをこよりにしたものを用意します。
指先や足先に筆先やティッシュの先端が軽くたわむ程度に押し当てます。
触れている感覚がある⇒正常
触れている感覚がたまにわかる(1/2回程度)⇒中等度鈍麻
全くわからない⇒重度鈍麻
運動位置覚の確認方法
床や壁にテープなどで目印を付けます。
目印に足先、指先を合わせた状態から開始します。
曲げ伸ばしを数回繰り替えした後に足元や手元を見ないで(出来たら目をつぶった状態で)最初の位置に足を戻します。
目印から1㎝以内のズレで納まる⇒正常
目印から3㎝以上ズレがある⇒中等度鈍麻
目印から5㎝以上ずれている⇒重度鈍麻
感覚の検査をしているときに、麻痺の無い方の手足と比べ痛みや触られた時にびりびり、チクチクと言った感覚が強くなるなどの場合もあります。
そのような場合は感覚過敏、もしくは異常感覚と言った感覚障害の場合もあるので、その場合には温度覚や触覚のトレーニングを積極的に行いましょう。
温度覚の確認方法
お湯(40℃前後)と水(10℃前後)を準備します。
どちらかに触れて暖かいか冷たいかを確認します。
どちらに触れているのかがわかる⇒正常
わずかに暖かさと冷たさの違いが判る⇒中等度鈍麻
全くわからない⇒重度鈍麻
振動覚の確認方法
スマートフォンのバイブレーター機能をONにします。
胸の骨、肩の骨、肘の骨、手首の骨の順番(足は胸→腰→膝→足首の順番)に当てていき、振動していることがわかるかを確認しましょう。
手首に当ててもわかる⇒正常
胸の骨や肩の骨に当たっているのはわかる⇒中等度鈍麻
全くわからない⇒重度鈍麻
自主トレーニング方法
触覚・痛覚のトレーニング
探索トレーニング
タオルとブロックやビー玉、ボタンなどを用意します。
タオルの上に物品を置きます。
タオルを半分にたたみ、タオルの上から何がどこにあるのかを指先の感覚で探索しましょう。
※上に置くタオルの厚みが厚いほど難しくなります。
1枚で簡単にできる場合には厚さを足していきましょう。
タオルがあるとわからないという方はタオルなしで触るところから始めましょう。
温度覚のトレーニング
交互浴
暖かいお湯(38~40℃)と水(10~12度)を洗面桶などに入れておきます。
暖かいお湯に3分、水に1分、手または足を浸けます。
お湯と水に交互に付ける作業を3~5回ほど繰り返し行いましょう。
運動位置覚のトレーニング
荷重トレーニング
上肢
重り(100~500g)を用意します。
重りを机の上に置き、感覚障害のある方の手で重りを持ち上げます。
机から10㎝ほど持ち上げてから机の上に戻します。
2,3を繰り返し行います
下肢
壁や手すりのある場所に立ちます
手すりなどにつかまりながらゆっくりと感覚障害のある方の足に体重を掛けます
体重をかけた足をゆっくりと床から離します
2,3を繰り返し行います
今回ご紹介した方法はトレーニング方法の一部になります。
正確な検査が必要な場合は専門の医師や理学療法士・作業療法士がいる施設で行いましょう。
痛みやしびれが強い、異常感覚と言われるような場合に、トレーニングが行えない、日常生活にも支障をきたしてしまうといった場合には専門医を受診するようにしましょう。
脳神経外科、神経内科などの医師がいる病院を受診し、服薬や専門のリハビリを受けることも改善につなげる手段の1つです。
また感覚のトレーニング方法においてもお身体の状態にあったものを適切に選ぶ必要があります。
感覚障害についてのご相談なども承りますので、お気軽にご連絡ください。
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