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脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症により運動麻痺などがあると、腕が上がらない、指先が細かく使えないなどのお悩みを持つ方にたくさんお会いすることがあります。
今回は、肩、前腕、手、複合運動の4部に分けて、自主トレーニング方法について、重症度別にご紹介していきたいと思います。
2回目は【肘回り(前腕、手首)】を中心とした自主トレーニングをご紹介していきたいと思います。
前腕と手首の動き方
肩周りや指先など動かすことのイメージがしやすい部分と違い、前腕と手首の自主トレーニングと言っても、実際にどのように動いているかを意識したことがある方は少ないと思います。
今回は自主トレーニングをご紹介する前に、前腕や肘、手首の動き方についてご説明していきたいと思います。
肘の動き
肘は屈伸運動のみとなります。
肘は上腕骨、尺骨(しゃっこつ)、橈骨(とうこつ)の3つの骨で構成されています。
関節は上腕骨と尺骨からなる腕尺関節、上腕骨と橈骨からなる腕橈関節、尺骨と橈骨からなる近位橈尺関節の3つで構成されます。
肘の屈伸の動きは主に腕尺関節による動きで、腕尺関節は蝶番関節と言って一方向にのみ動く構造となっています。
前腕の動き
前腕部は肘から手首までの名称です。
前腕の骨は橈骨と尺骨からなりますが、関節としては肘の近くにある近位橈尺関節、手首の近くにある遠位橈尺関節があります。
どちらも前腕のねじる動き(回内・回外)の動きに作用する関節です。
このねじる動きがあることで口元に手を伸ばしたり机の上で作業をするときに手のひらの角度を調整したりする動きに作用し、指先や手首だけでは調整できない角度の調整を補助する役割があります。
手首の動き
手首は前腕の橈骨、尺骨、手のひらにある手根骨で構成されています。
関節は橈骨手根関節で構成されています。
動き方としては手首の屈伸(背屈、掌屈)の他に小指側に倒す尺屈、親指側に倒す橈屈があります。
前腕、手首の動きの重症度分類
テスト1
手首を背屈することができる
不可能⇒重度
可能⇒次のテストへ
テスト2
膝の上に手を乗せる
その状態のまま片を軽く上げる
手のひらを天井に向け返すことができる
不可能⇒中等度
可能⇒軽度
重症度別前腕、手首のトレーニング
重度
肘の屈伸運動
【目安回数】
20回×2セット
【方法】
椅子に座ります
両手を組んで胸元に手を持っていきます
腕の力を抜くことを意識しながら膝の間に手を伸ばします
2,3を繰り返し行います
手首の屈伸運動
【目安回数】
10回×2セット
【方法】
手を組みます
麻痺側の手を健側の手で動かすように意識しながら手首を反らせます
2と同様に手首を内側に曲げます
2,3を繰り返し行います
中等度
手首回し
【目安回数】
各10回×2セット
【方法】
両手を組みます
手首を一周させるように回します
同様に反対方向にも回します
棒倒し運動
【目安回数】
20回×2セット
【方法】
ペットボトルや棒などを持ち机に手を乗せます
棒やペットボトルをゆっくりと内側に倒します
元の中間の位置に戻します
同様に外側にも倒します
2~4を繰り返し行います
軽度
手首背屈運動
【目安回数】
20回×2セット
【方法】
手首が机などから浮くように机の端に腕を乗せます
手首が机の高さより上に持ち上がるように手首を反らします
しっかりと脱力し、手首が机の高さより下に下がるようにします
2,3を繰り返し行います
運動するときに指を握りこまないようにしましょう
前腕回内外運動
【目安回数】
10回×3セット
【方法】
ボールペンやマジックなどを親指側から少しはみ出すように握ります
ペンの先を水平になるように持ちます
腕を外側に捻り、180°反対に行くように動かします
元の位置に戻し、腕を内側に捻り、90°程動かします
2~4を繰り返し行います
前腕や手首の動きは普段意識することが少ない運動になっており、細かな動き方を確認していくことが大切です。
今回ご紹介した運動の他にも、トレーニング方法はたくさんありますが、お身体の状態にあったトレーニング方法を選択することが大切になります。
トレーニングの方法や、お身体の状態で気になることがあればお気軽に御連絡いただければと思います。
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