脳卒中後の足のつっぱり!メカニズムと改善に繋がる自主トレーニング!
- 齊藤 亜沙美

- 2025年9月18日
- 読了時間: 5分

最近は日中は暑く、日が沈むと肌寒い日が続いていますね。
1日の中でも温度変化が大きく、体調管理には気を付けたい季節です。
気温差があることで起こる体の不調として風邪や身体のだるさなどの他に、身体が強張りやすくなるということもよくお聞きします。
今回はご利用されている方や、今まで脳卒中(脳梗塞/脳出血)のリハビリをしてきた方の中で多くの方に相談された【足のつっぱり】について原因と対処方法についてご紹介していきたいと思います!
目次
足がつっぱる原因

健康なときでも、こむら返り(足の筋攣縮)などが起こることがあります。
いわゆる『足が攣る(つる)』という状態ですが、脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症などにより、足のつっぱり感が出やすくなることがあります。
その原因はいくつかありますが、大まかに以下の3点が原因として多く上げられます。
痙縮
共同運動パターン
感覚障害
これらは、脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症としても起こりやすく、脳から送られる信号、もしくは身体から送られた信号を脳が正常に処理できないことで起こりやすい症状です。
そのため、対処療法を行ってもまたすぐに痛みが出てしまったり、ツッパリ感が取れにくいということも多くあります。
では、それぞれの症状について少しだけ詳しくご紹介していきたいと思います。
痙縮とは?
脳卒中の後遺症でよく見られる症状のひとつに「痙縮(けいしゅく)」があります。
痙縮とは、筋肉が自分の意思に関係なく突っ張ってしまい、関節が動かしにくくなる状態を指します。
脳は本来、筋肉に対して「動け」という指令(興奮)と「休め」という指令(抑制)の両方を送っています。
これがバランスを保つことで、スムーズな動きが可能になります。
しかし、脳卒中で脳の一部が損傷すると「抑制の指令」が弱くなり、筋肉に「動け!」という信号ばかりが優位に行われてしまいます。
その結果、筋肉が過度に緊張し、痙縮につながります。
筋肉には多数の毛細血管や感覚神経が張り巡らされていますが、筋肉が長時間つっぱることで毛細血管が閉まってしまい、十分な血流が得られず、筋肉が酸欠や栄養失調のような状態に陥ります。
この時にサイトカインという細胞が働き、筋肉に異常が起きているということを脳に知らせるのですが、このサイトカインが働くことで痛みを誘発してしまいます。
また痛みがあっても脳が正常に筋肉に対して「休め」(抑制)をかけることができるわけではないので、痙縮が継続してしまいます。
共同運動パターンとは?
脳卒中(脳梗塞/脳出血)の運動麻痺にはいくつか特徴的な動きがあります。
そのうちの1つが『共同運動パターン』と言われる動きです。
これは脳が簡単な動きの組み合わせ(共同運動パターン)でしか命令を出せなくなることで起こる動きで、関節を曲げる、伸ばすの動きの信号が単一になってしまう動きを指します。
例:腕を曲げようとすると、肩・肘・手首・指が同時に曲がってしまう
例:足を伸ばそうとすると、股関節・膝・足首が一緒に突っ張ってしまう
このように「本当は一部だけ動かしたいのに全体が連動してしまう」ことも、ツッパリや動かしにくさの原因となります。
特に足では『伸展パターン』と言われる動きが起こりやすく、股関節、膝関節、足関節のすべてが伸展(伸びる方向)につっぱりやすくなります。
そのため、足、特にふくらはぎ周辺に強いツッパリ感を感じやすくなります。
感覚障害とは?
感覚のトラブルもツッパリ感を増強させる一因です。
足裏の感覚が鈍くなる → 立っている時に過剰に力が入る
ふくらはぎや太ももの感覚が鈍い → バランスを取ろうとして無意識に突っ張る
そのため、感覚を刺激して「自分の体を感じやすくすること」も改善のポイントになります。
自主トレーニング方法
足首のストレッチ
【方法】

椅子に座り、麻痺側の足を前に出す
手で足先を持ち、ゆっくりと上に反らすように曲げる(ふくらはぎを伸ばすイメージ)
反動をつけず、20〜30秒じんわり伸ばす
つま先上げ
【方法】

椅子に座る
つま先をゆっくりと上げる
ゆっくりとつま先をおろす
上げ下げしている際に脛のあたりの筋肉が動いていることを意識しましょう
青竹踏み(足裏の感覚トレーニング)
【方法】

青竹や丸めたタオルの踏み、かかとからつま先までゆっくり体重をかけながら踏む
痛気持ちいい程度で行い、足裏の感覚を意識しましょう
太もも・ふくらはぎの感覚刺激
【方法】

麻痺側のふくらはぎや太ももをタオルやスポンジでさすったり、軽くたたく、揉むなどの刺激を与える
リズミカルに行うと感覚が入りやすくなる(マッサージガンなどの使用も可)
痙縮は「脳からの抑制が弱まる」「共同運動パターンが強く出る」「感覚が鈍る」など、複数の要因が重なって起こります。
自宅では、ストレッチ・感覚刺激・リラックス運動を組み合わせることで改善が期待できます。
また、今回ご紹介したトレーニング方法は一部となりますので、お身体にあったトレーニング方法を選択するようにしましょう。
トレーニング方法については担当のリハビリスタッフや専門家(理学療法士や作業療法士など)と相談しながら選択するようにしましょう。
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