
手のリハビリを始めようとするとき、多くの方が「どうすればいいんだろう?」と悩むかと思います。
そこで、手の動きを取り戻すためのリハビリを行うための方法を、“基本と準備”、“ウォーミングアップ”、“粗大運動”、“巧緻動作”の4段階に分けてご紹介していきたいと思います!
初回の今回は“基本と準備”についてご紹介していきたいと思います。
目次
リハビリの目的を明確にする
まず、リハビリを始める目的を明確にすることが大切です。
「手を動かしたい」という漠然とした目標ではなく、日常生活でどのような動作を取り戻したいのかを具体的に考えましょう。
目標設定の例として、
ペンを持って文字を書く
お箸で食事をする
洗濯物をたたむ
これら具体的な目標を持つことで、「なぜリハビリをするのか」が明確になり、やる気を維持しやすくなります。
また、最終目標が決まっていることで、そこに到達するために必要な細かい目標(短期目標)を設定しやすくなります。
例えば、上記の例にある、『ペンを持って文字を書く』という目標ですが、動作を獲得するためには必要な動作はたくさんあります。
ペンを持つ ⇒指先の巧緻動作(親指と人差し指の摘まみ動作、その他の指の握り動作)
ペンを安定して持っていられる ⇒指の筋力の維持、触覚や重量感覚・指先の動いてる運動覚などの多数の感覚
ペンを持ちながら手首や肘、肩などの他の関節の細かな動きの調整 ⇒上肢の協調性、力加減(筋出力)の調整
座っていられる ⇒座位保持、体幹、首の筋力の安定・持続性、バランス能力
ペンを持った状態での指先を細かく動かす ⇒巧緻動作、指先の協調運動など
文字を認識する能力 ⇒視力、高次脳機能、平衡感覚など
このように、“ペンを持って文字を書く”という目標ですが、達成するためには多数の機能を活用する必要があります。
このすべてを改善する必要はないのかもしれないし、複数の機能の改善が必要になるかもしれません。
どの機能が低下し、どのように達成していくのかを考えるためにも目標は具体的に設定するようにしましょう。
自分の体の状態を確認する
脳卒中(脳梗塞/脳出血)を発症し、麻痺による後遺症がある場合、回復段階としては大きく分けて4段階あります。
トレーニングをしていく上で段階を飛ばしてトレーニングをすることは痛みが出てしまったり、動かしにくくなってしまったりすることもあるためあまりお勧めできません。
そのため、回復過程を知り、お身体の状態にあったトレーニング方法を選択することが大切になります。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)後の手指機能の回復は、一般的に以下のステップを経て改善していきます。
弛緩性麻痺 発症直後に起こりやすく、力が入らない、意識的に手や指を動かすことができない状態です。
場合によっては手の感覚がない場合や、異常な痛みや感覚の異常(痺れや熱さ、冷たさを強く感じる)が現れる場合もあります。
筋収縮の出現(痙縮) 筋肉が緊張し、意図しない収縮が見られるようになります。
少しの刺激でも反射的が出現してしまい、弛緩させることが難しい場合が多くなります。
共同運動の出現 複数の関節が一緒に動くようになり、個別の関節を独立して動かすことが難しい状態です。
上肢では屈曲パターンの出現が多く見られます。
分離運動の獲得 各関節を個別に動かせるようになり、手指の細かい動作が可能になります。
若干の動かしにくさや力の調整などが難しい場合もあります。
2の段階で4のトレーニングをしてしまうと力が入りすぎて痛みが発生してしまったり、動かないことに対してのフラストレーションがたまってしまうなどの場合もあります。
逆に4の段階で1,2のトレーニングを中心にしていても細かい動きの獲得は難しいかと思われます。
そのため、トレーニング方法については身体の状態に合わせて行うためにも、専門家(理学療法士・作業療法士など)のアドバイスのもと行うようにしましょう。
練習量の設定
リハビリは「毎日コツコツ」が大切ですが、無理をして痛みを感じる、動きが粗雑になってしまうような練習は避ける必要があります。
お身体の状態に合わせて段階的に目標を変えながら最終目標に到達するように計画を立てましょう。
リハビリの回数と時間
自主トレーニングを行う場合、担当リハビリスタッフからどの運動を何回行うようにと指導されている方もいらっしゃるかと思います。
指定された回数では足りない、もっとやりたいという場合は担当スタッフと相談し、回数や時間を変更するようにしましょう。
指定がない方の場合は、ある程度の時間や回数を決め、慣れてきたら少しずつ増やしていきましょう。
1回に長時間行うよりも、休憩を挟みながら短時間で集中して取り組むようにしましょう。
適切な休憩時間を確保する
疲労を感じたら休むこともリハビリの一環です。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)になると、疲れやすさを感じやすくなるという方も少なくありません。
またリハビリでは普段使わない筋肉や集中力を使うことも多いため、疲れやすさを感じることが多くあります。
疲れた状態では集中してリハビリを行うことができず、漫然と回数をこなしてしまったり、時間が過ぎてしまうだけになってしまうことがあります。
無理な運動を続けてしまうと痛みや怪我の原因となることも少なくありません。
疲れを感じている、筋肉や関節に痛みを感じた場合などは、無理をせず一度休憩を挟み、落ち着いてから再開するようにしましょう。
今回ご紹介した目標設定や準備などについてはお身体の状態の把握や適切な目標の設定などは専門家(理学療法士・作業療法士など)、担当のリハビリスタッフと相談しながら行うようにしましょう。
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