歩いている時に足がもつれる、ふらつくなんて経験をしたことはありませんか?
歩く時のバランスを崩してしまう時、多くの人は足が動かなかったと思う方も多いと思います。
歩く時に【足】は重要なポイントではありますが、バランスをとるためには実は【体幹】の方が重要な働きをすることが多くあります。
今回は転倒を予防するために必要な【体幹】のトレーニング方法を重症度別にご紹介していきたいと思います!
目次
どうして体幹がバランスを取るのに必要なの?
体幹の働きとして、手足の動きを支える、全体のバランスを整える機能があります。
体幹には前後左右だけでなく、上下のバランスを整える作用があり、横になっているとき以外すべての時間で体を支えています。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)などの後遺症に“運動麻痺”という症状があります。
“運動麻痺”は主に『手足が動かない症状』と思われている方も多くいらっしゃると思いますが、“運動麻痺”の症状は【半身】に起こっています。
【半身】というと手足だけではなく、体幹や顔なども含まれており、手足に比べると動かしにくいということが分かりにくくなっていますが、症状は起こっています。
体幹は手足を動かすための土台であり、その土台が安定していないとなると手足はさらに動かしにくくなってしまいます。
特に歩く時の体幹は左右の重心のバランスを取ったり、次の足を出すための準備をするなど必要な働きを担っています。
軽症の場合や後遺症がない方、脳卒中を発症していないという方も体幹の動きが筋力低下や腰痛などが原因でバランスを取れなくなることも少なくありません。
そのため、体幹のトレーニングはリハビリをしていく上では外せないトレーニングになっています。
次の項目では、脳卒中による後遺症の重症度を見分けるための確認方法をご紹介するので、ご自身のお身体の状態にあったトレーニングを選択するようにしましょう。
重症度の見分け方
テスト1
〇背もたれがない状態で座れる
安全に座っていられる⇒次のテストへ
手すりが必要、手すりがあっても難しい⇒重度
テスト2
〇背もたれのない状態で座り片方ずつの腿上げをし、3秒間挙げた状態を保持できる
どちらの足も3秒間保持できる⇒次のテストへ
非麻痺側のみ3秒間保持できる、どちらも保持できない⇒中等度
テスト3
〇背もたれのない状態で座り片方のお尻を座面から浮かせられる
どちらも浮かせられる⇒軽度
非麻痺側は浮かせられるor両方浮かせられない⇒中等度
重症度別トレーニング方法
重度
体幹の症状が重症の場合、背もたれのない椅子に座ることや立ち上がることも難しい状態です。
まずは、安定して座れる、立ち上がることができるように横になりながら行うトレーニングや背もたれのある椅子に座った状態でトレーニングをしていきましょう。
トレーニング1
【方法】
仰向けになります
寝返りたい方向に顔と腕を倒します
顔を向けた方向と同じ方向に身体を捻ります
1にもどります
【回数】
左右各10回×2セット
トレーニング2
仰向けになります
両膝を軽く曲げます
両手を組み天井に向かって手を伸ばします
30秒その姿勢をキープします
両手を体の横に置きます
両足を上げ30秒キープします
【回数】
3セット
中等度
中等度の方の場合、椅子などに座っていることは可能ですが、体を起こした状態で手足を動かすのが苦手になります。
まずは安全に行えるように座ってできるトレーニングで体幹を鍛えていきましょう。
トレーニング1
椅子に腰かけます
両手を胸の前で組みます
左右交互に腿上げをリズムよく行います
【回数】
30秒間×3セット
※できる人は背もたれから背中を離して行いましょう
トレーニング2
椅子に座ります
胸の前で腕を組みます
身体を捻り右の肘で左の膝にタッチします
身体を起こします
身体を捻り左の肘で右の膝にタッチします
身体を起こします
3―6を繰り返します
【回数】
左右各10回×3セット
軽度
トレーニング1
ベッドや床に足を伸ばして座ります
両手は胸の前で組んでおきます
お尻で1mほど前に進みます
同様にお尻で1mほど後ろにすすみます
【回数】
3セット
トレーニング2
うつ伏せになります
両手の肘から先で体を支えます
ゆっくりと顔を挙げます
30秒間姿勢をキープします
簡単という方はお腹と膝がベッドから離れるようにしましょう
【回数】
30秒×3セット
今回ご紹介した重症度の見方やトレーニングは一部となっております。
正確にお身体の状態をご確認いただき、トレーニングを選択する場合には専門家と相談しながら決定しましょう。
また痛みがある場合や転倒の不安がある場合には無理にトレーニングを行わないようにしましょう。
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