以前のブログでも脳梗塞の後遺症についての項目がありますが、今回はさらに詳しく見ていきましょう。
脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症は“片麻痺”、“失調症状”、“感覚障害”、“高次脳機能障害”、“嚥下障害”が多く見られます。
これらの症状を5回に分け、発生するメカニズムや症状、対応方法についてご説明できればと思います。
今回はその中の“高次脳機能障害”について書いていこうと思います。
目次
高次脳機能障害ってなに?
高次脳機能障害とは、脳の働きとして物事を考える、推測する、記憶するなど哺乳類の中でも人間にしかできない分野のことを高次とし、その部分が障害されることで起こる症状全体を指します。
高次の部分が障害されると、
怒りっぽくなる、涙もろくなるなど感情的になりやすい(情動障害)
物事に集中できない、注意散漫(注意障害)
考えをまとめたり、物事を順序だてて考えることができない(遂行機能障害)
いろいろなことを覚えておけない、昔のことを思い出せない(記憶障害)
など様々な症状が起こります。
よく『病気をしてから人が変わったようだ』と言われることがありますが、その理由は高次脳機能障害によるところが大きいのです。
また高次脳機能において注意機能や記憶といっても様々な種類があります。
例えば注意機能では物事に集中するための持続性注意、同時進行させるために2つの物事に対してどちらにも注意を払う配分性注意、2つの物事のどちらかに注意を切り替える転換性注意があります。
これらを総じて全般性注意機能と言います。
記憶になるとさらに複雑で、物事の前後で記憶を分けると未来を予想する前向性記憶、過去の記憶の逆行性記憶の2つに分けられます。
また記憶は数秒前の記憶を保持する即時記憶、1~2日前の記憶を保持する短期記憶、数年前の記憶の長期記憶などもあります。
そのほかにも手続き記憶(ワーキングメモリー)やエピソード記憶、意味記憶など“記憶”と一言で言ってもたくさんの種類があります。
これらの症状の検査は複雑で、時間が必要な場合も多くあります。
どうして高次脳機能障害が起こるの?
人間の脳は大脳辺縁系という人間の本能を司る場所があります。
その大脳辺縁系を覆うように大脳皮質があり、欲望を抑え込む役割を果たしています。
また大脳皮質は複雑な神経構造をしており、物事を考えたり、計算したり、処理したりする能力がとても高い部分です。
しかしその大脳が何らかの理由で傷ついてしまうと欲望を抑え込むことが難しくなったり、複雑な思考が必要になる“高次”の能力が障害されてしまい、高次脳機能障害が起こります。
高次脳機能障害がある人と接する際の注意点
高次脳機能障害があると本人だけでなく、周囲の方(家族や友人、同僚など)が困る場面も多々見られてきます。
例えば記憶障害がある方は薬を飲む時間なのに薬がどこにあるのかを思い出せない、薬を飲むこと自体を忘れているなどがあると、ご家族が介助しなければならないなど周囲の人の手を借りる必要が出てきます。
また注意障害がある方に対して集中するように伝えても脳の機能的にできないことなので、さらに混乱してしまったり、焦ることでうまくいかないなんてことも多く見られます。
接し方の方法としては、記憶障害がある方の場合はよく目にする場所にメモを張って置いたり、アラームなどの機能を利用するなどし、対応する必要があります。
注意機能障害がある方に対しては時間がかかっても大丈夫なことを伝え、優先順位などを事前に説明しておくことや事前に期日や作業の目処を伝えておくことが必要になります。
その他にも症状に合わせて接し方を工夫する必要があります。
国立障害者リハビリテーションセンターの高次脳機能障害情報・支援センター では以下のようなパンフレットを症状別に記載しているものなどもあるので、ご興味のある方はご覧いただければと思います。
高次脳機能障害は場合によっては年単位で治療が必要な場合があります。
しかし病院でのリハビリは発症してから最大180日間、その後のリハビリは介護保険を利用してのリハビリが主になっていることも多くあります。
そのなかでも麻痺や高次脳機能障害は後遺症として残存しやすく、長期的に専門的なリハビリが必要になります。
また職場復帰には、お仕事の内容や通勤手段などを考慮する必要があるため、より個別のリハビリが必要になります。
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