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生活場面で必要なバランス能力について




様々な場面で“バランス”という言葉を聞いたことがあると思います。


とくに体を動かす場面のスポーツやトレーニングジム、病院に入院していた時に療法士などからも“バランスを意識して”と言われたことがある方も多いと思います。


今回はその“バランス”について説明していきたいと思います。


目次


バランス能力とは?

バランスとは広辞苑などでは、『つり合いのとれた』、『均衡』と表記されています。


体を動かす場面でのバランス能力とは、重力の影響がある中で転倒することなく動作できるために姿勢を変化させる能力のことを指します。


バランス能力は平衡感覚と言い換えられることもあります。


バランス能力には“静的バランス能力”と“動的バランス能力”の2種類があります。


立っているときや座っているときなど、体の動き(重心の動き)を伴わない姿勢を保持する能力を“静的バランス能力”、体を動かす、外力が加わりながらも姿勢を保とうとするためのバランス能力を“動的バランス能力”と言います。


生活する場面ではこの“静的バランス能力”と“動的バランス能力”を交互に行うことで成り立っています。


例えば朝起きてトイレに行くことを考えると、起き上がって立ち上がります。


この立ち上がった状態が“静的バランス能力”が必要な姿勢です。


その後歩いてトイレや洗面台に行きますが、移動するときに“動的バランス能力”、トイレで用を足したり、顔を洗ったりするときには再び“静的バランス能力”が必要になります。


このようにこの2つのバランスは交互に使い分けされる能力となっています。


バランス能力を具体的に説明すると、身体が傾いたと感じたとき、もとの真っすぐの姿勢に戻そうと脳と身体は反応します。


バランス能力に関係する体の機能としては、


  • 深部感覚 ⇒皮膚や筋肉・関節などで体の位置を適切に把握する機能。

  • 前庭機能 ⇒頭の位置変化を感じ、真っすぐに保つための働きをするように脳に伝達する機能。

  • 視覚 ⇒目を使用し姿勢の変化(傾いている、床との距離が近づいているなど)を脳に伝達 する機能。

  • 感覚神経・運動神経 ⇒末梢神経が脳や脊髄からの伝達を受け取り、適切に反応することで姿勢を正常な位置に保つよう働きます。 この時に動いた感覚はさらに深部感覚で脳に変更があったことを伝えられます。

  • ⇒すべての情報を統合し、必要な動作の指令を筋肉に送る司令塔としての役割を果たします。

このようにいろいろな機能がバランスを保つために働きます。


脳卒中になるとこの司令塔である部分の脳から筋肉への指令がうまくいかなかったり、深部感覚から得られた情報を脳が正常に処理できなくなってしまうことが多く、バランスを崩し、転倒につながりやすくなってしまいます。


バランスってどうやって確認するの?

では具体的にバランス能力を判断するための基準について確認していきましょう。


まずバランスを判断するためには“静的バランス能力”から確認しましょう。


特に立っているときの姿勢の確認が大切になります。


下の絵は重心を確認するときにチェックするポイントになります。



重心点(〇の部分)同士を結びます。


この重心点同士を結んだ線を重心線と言います。


この重心点と重心線の部分が足の支持基底面内(赤枠)で納まっていると安定したバランスが取れていると言えます。


支持基底面は足の位置(前後にずれている、広げる)で広さが変わり、広いと安定しやすく、狭いとバランスを崩しやすくなります。


横から見たときには重心線が床から垂直に近いほど安定していると言えます。


“動的バランス能力”では支持基底面から外れた重心点を元に戻し、さらにその重心をまた外すことを繰り返すことで起こります。


脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症があると、この重心点や重心線が一定の場所から動かせなくなる、動かせてもごく狭い範囲でしか動かせなくなってしまうことでバランスがとりにくくなってしまったり、バランスを伴う運動がスムーズに行えなくなってしまいます。


特に健側に寄りやすく、健側を起点にわずかに動ける程度となることが多く見られます。


それでは動的バランスを発揮することができず、動的バランス能力が必要な動作になると転倒しそうになってしまうため、動作が行えないなんてこともあります。


動作別にみる必要なバランス能力

日常生活動作(ADL)

必ず立位を伴う必要がある動作は乗り移りや入浴時の浴槽をまたぐ動作になります。


移乗動作

椅子に乗り移るときやトイレに座るときなどに必要な動作です。


バランスが必要な動作としては座るときよりも大切ですが、方向転換の際に必要になります。


方向転換の方法には


①健側の足を軸に回転し、方向転換する方法



②踏みかえての方向転換


この2パターンで行われます。



主に①は静的バランス、②は動的バランスが必要になります。


手段的日常生活動作(IADL)

IADLは人が日常生活を送るために必要な動作の中でも“複雑で高次な動作”をさします。


例えば掃除や洗濯などの家事動作や金銭管理、車の運転などもこちらに含まれます。


その中でも多くの方が必要なバランスを要する活動として


  • 床から物を拾い上げる

  • 買い物など(荷物を持っての移動)が挙げられます。


中には掃除、洗濯などの家事をすることが多い方もいらっしゃるので今回はそちらもご紹介していきたいと思います。


床から物を拾い上げる

座位

座位では支持基底面が足だけでなく、椅子に接地しているお尻や太ももの部分も含まれるので立っているときよりは安定します。


動作としては、前に屈み、床のものに手を伸ばします。


この時に頭の位置が前の方に傾きますが、お尻が後ろに行くことで重心のバランスを整えます。


お尻が前にずれてしまったりすると椅子から転落する危険があるので注意が必要です。


立位

床から物を拾うときは①屈んでとる②一度しゃがんでからとるの2パターンがあります。

①では体を折り曲げ、頭が前に傾くことで、床に手を伸ばすことができます。

この時に重心の位置が頭は前、お尻は後ろの方に動くことから動的バランス能力が必要になります。



②では一度しゃがむことで動作が安定し、重心は大きく動かないことから静的バランス能力が必要になります。


荷物を持った移動

片側の手で荷物を持ちながら歩くと荷物を持っている側に重心が傾きやすくなります。



そのため、荷物を持っている側と反対側に頭の位置をずらすことでバランスを保つことができます。


この時バランスを調整するのは静的バランスですが、歩くなどの動作が加わると動的バランス能力も同時に必要になります。


家事動作

掃除機


掃除機をかけるときは前後の移動だけでなく、左右にも移動することがあると思います。


また掃除機は最近のものは軽くなってきていますが、コードに引っ張られたり、掃除機本体を引かなければいけないため、動的バランス能力が必要になります。


洗濯ものを干す


手を目線より上にあげる動作などが含まれますが、手を上にあげると重心の位置が高くなり、バランスをとるのが難しくなります。


主に必要な動作は静的バランス能力ですが、重心位置が変わるため、少しの重心のずれが原因で転倒することもあるので注意が必要です。


バランス能力を鍛えるため方法

ここまででご説明した通り、日常生活のなかの一部だけでもこれだけバランスが必要だということがお分かりいただけたと思います。


このほかにも必要な場面や動作などはたくさんあり、人によってはこの動作に当てはまらないという方もいらっしゃると思います。


しかし“バランス能力が必要”という点には変わりないと思います。


まずは、ご自身の今の立っているときの姿勢が真っすぐ立てているのか、傾いているとしたらどの方向に傾いているのかを確認する必要があります。


その状態を鏡などで確認しながら、どこまでなら傾きを動かせるのか、体に痛みがないのかをゆっくりと確認しましょう。


特にバランスに自信がないという方座った姿勢から行っていくことをお勧めします。


また、筋力を鍛えるようなトレーニングも必要です。


反応したはいいものの、倒れかかっている体を支えるためには筋力が必要になります。


素早く反応できるようなトレーニングと併せて体を支えるための筋力をつけるようなトレーニングをしていきましょう。


ここまでで、バランスをよくするための方法を書いてきましたが、急に姿勢を治そうとすると、今までできていたバランスのとり方を崩してしまうことになるので、より転倒の危険が増すことがあります。


練習するときなどは一人で行わず、リハビリスタッフやトレーナーなどが付き添いの下、行うようにしましょう。


またバランス能力はご自身の能力だけでなく、周囲の環境や動作の影響を大きく受けるものです。


ご自身の能力にあったバランス練習や環境の調整なども加味する必要があります。


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