脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症により手足が動かなくなったというご相談にのることが良くあります。
しかし、脳卒中により左右どちらか半身、もしくは両側ともに障害が起こると動かなくなるのは手足だけではなく、身体全体が麻痺している状態です。
手足の動きは目に見えて動かないことがわかるので意識しやすいですが、実は体幹(胴体)にも麻痺があり、手足の動きに影響しているということも少なくありません。
今回は体幹の動きのトレーニング方法や体幹の動きが最も必要な基本動作となる寝返りや起き上がり、座位保持、立ち上がりについて4回に分けてご紹介していきたいと思います。
3回目の今回は『座位保持』についてご紹介していきます。
目次
“いい姿勢”と“悪い姿勢”の違い
姿勢保持に必要なこと
トレーニング方法
“いい姿勢”と“悪い姿勢”の違い
いい姿勢と言われると背筋が伸びた姿勢をイメージしやすいかと思います。
逆に悪い姿勢と言われると猫背であったり、背もたれにもたれかかるような姿勢をイメージしやすいのではないでしょうか?
では、なぜ猫背や背もたれにもたれかかると“悪い姿勢”と言われるのでしょうか?
【マナーとして】ということもあると思いますが、それだけでなく“悪い姿勢”というのは体に負担がかかりやすい姿勢のため、避けた方が良いとされています。
例えば、猫背であれば背中を丸めて座っている姿勢を指しますが、この姿勢を長時間とることで以下のような体への悪影響が考えられます。
背骨の変形
腹筋の筋力低下
背筋への高負担
内臓の圧迫など
このように、体への悪影響がある姿勢を長期間とっていることで痛みや他の疾患を招いてしまうことが考えられます。
姿勢保持に必要なこと
① 姿勢を確認する
まずは、今のご自身の姿勢がどうなっているのかをご自分の感覚としてとらえている状態と客観的に見たときに違いがあるかを確認しましょう。
ご自身では、良い姿勢を取れていると思っている場合でも、実は少し猫背気味であったり、首が前に出ていたり、逆に反り腰になりすぎていたりと言った場合があります。
ご自身の座っている姿勢を写真や動画で確認して今の姿勢がどのような姿勢か確認してみましょう。
② 楽な姿勢かどうかを確認する
例えどんなに良い姿勢を取れたとしても、数秒間、もしくは数分もしたら疲れてしまうとしたら、実用的ではありませんよね?
良い姿勢というのは体にかかる負担が最小限の姿勢です。
背筋を伸ばしておくというのはとっても大切ですが、なかなか長続きしにくい姿勢です。
下手をすると腰や首に負担がかかりすぎてしまい痛めてしまうことも少なくありません。
楽に座れる良い姿勢の確認ポイントとしては
左右均等に体重がお尻にのっているか
骨盤の真ん中に背骨が乗っているか
背骨は真っすぐになっているか
肩の位置は左右でズレがないか
頭が背骨の真上にのっているか
などがあります。
逆に、その時は楽でも後、体に負担がかかる姿勢としては、
骨盤が倒れている ⇒長時間この姿勢で座っていると背骨の位置がずれてしまったり、背筋を極度に伸ばしている状態のため腰痛を悪化させてしまうことがあります。
お尻がどちらかに傾いている ⇒足を組んでいるときなどによく見られますが骨盤が左右どちらかに傾いていると背骨が歪みやすく、腰痛や最悪の場合ヘルニアや側弯症などを誘発してしまいます。
背骨が左右どちらかにたわんでいる ⇒肩ひじを着いているときなどになりやすい姿勢です。左右不均等に筋肉を使用していることで腰痛や背中、肩などの痛みを誘発しやすくなります。
頭が左右どちらかに傾いている、もしくは前や後ろに傾いている ⇒肩や首回りの筋肉に不均等に負担がかかってしまうためコリや痛みの原因になります。
なるべく、楽にかつ良い姿勢を意識して座れるようにトレーニングをしていきましょう。
トレーニング方法
姿勢、特に背骨を真っすぐの位置でキープするためにはお腹周りの筋肉が必要です。
特にインナーマッスルなどは姿勢を維持するためには必要な筋肉なのでゆっくりとしたトレーニングをしていきましょう。
ドローイン
【方法】
仰向けになる
お腹に手を当てる
鼻からゆっくりと息を吸いお腹を膨らませる
口をすぼめてゆっくりと息を吐きながらお腹をへこませる
ヒップリフト
【方法】
仰向けになる
両膝を軽く曲げ、膝を立てる
5秒かけてゆっくりとお尻を持ち上げる
5秒かけてゆっくりとお尻をおろす
骨盤運動
【方法】
椅子やベッドに腰掛ける
背中をしっかりと丸める
ゆっくりと身体を起こす
※背中を丸めたり伸ばしたりする際に頭の位置が大きく変わらないようにしましょう
今回ご紹介した方法以外にも、座るためのクッションや椅子を工夫するなどもあります。
またトレーニング方法についても、ご紹介した以外にもありますが、身体に合ったトレーニング方法を選択するようにしましょう。
詳しく姿勢を確認してみたい、改善するためのトレーニング方法については専門家にご相談しながら行うようにしましょう。
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