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体幹の動きをマスターしよう!ー寝返り編ー



脳卒中(脳梗塞/脳出血)の後遺症により手足が動かなくなったというご相談にのることが良くあります。


しかし、脳卒中により左右どちらか半身、もしくは両側ともに障害が起こると動かなくなるのは手足だけではなく、身体全体が麻痺している状態です。


手足の動きは目に見えて動かないことがわかるので意識しやすいですが、実は体幹(胴体)にも麻痺があり、手足の動きに影響しているということも少なくありません。


今回は体幹の動きのトレーニング方法や体幹の動きが最も必要な基本動作となる寝返りや起き上がり、座位保持、立ち上がりについて4回に分けてご紹介していきたいと思います。


始めの今回は『寝返り』についてご紹介していきます。


目次

寝返りって必要な動きなの?

寝返りをするために必要な動作は?

寝返りのトレーニング方法


寝返りって必要な動きなの?

起きている時でも全く同じ姿勢をとっていると腰やお尻、足などが痛くなることはありませんか?


寝ている時も同様で、全く同じ姿勢、例えば仰向けのままずっと動かないでいると徐々に首や腰に負担がかかったり、後頭部や踵などベッドや枕に接触している部分が痛くなることもあります。


同じ姿勢で動かないでいると、後頭部や踵、お尻などはベッドと接触していることで圧迫されています。


このように圧迫された状態を長時間放置していると血流不全を起こしてしまうため痛みやしびれとして症状が現れてしまいます。


ひどい場合では床ずれ(褥瘡)と言われる傷ができ、化膿していってしまいます。


圧迫を解消するためには寝返りが必要であり、健康な大人でも6時間の睡眠の中でも約20回前後の寝返りをしていると言われています。


このようにこまめに寝返りをすることは体への負担を減らすためにも必要な動きになります。


しかし、脳卒中になり、手足だけでなく、体幹の動きが麻痺している状態では寝返りをするための動きがしにくくなることもあり、脳卒中になると寝返り回数は少なくなるという研究があります。


また寝返りはそれだけでなく、こもった熱を放出する、暖かい空気を取り込むなど温度調整のためにも必要な動きになります。


質の良い睡眠をとるためにも、寝返り動作が楽にかつ意識せずに行えるようにトレーニングをしていくことが必要になります。


寝返りをするために必要な動作は?

寝返り動作とは乳幼児期の成長段階では『仰向けからうつ伏せになること』とされていますが、大人になってからの寝返りとは、『横たわったまま左右どちらかに姿勢を変えること』とされています。(厚生労働省『日常生活機能評価表』より)


必要な動きとしては、

  • 肩甲骨周り

  • 腰回り

の位置を部分的に、もしくはすべて一緒に位置を変えることで起こります。


例えば、仰向けの姿勢から頭~腕の位置が右側、もしくは左側に向いた姿勢になることも寝返りになります。


もちろん仰向けから左側、もしくは右側に全身を向くように変更することも寝返りになります。



しかし、寝返りの方法は人によってどこから始まり、どの姿勢になるのかが全く違ってきます。


仰向けからうつ伏せになる方法についての研究の中では、人の寝返りのパターンは19種類にもなるという結果もあるくらい寝返りの方法は様々になります。


そのため、この方法を取れば楽に寝返りができるようになるというわけではないので、ご自身が動かしやすい部位、やりやすい方法を見つけることも必要になります。


寝返りのトレーニング方法

上記では、寝返りをすることが大切であるということをご紹介しましたが、では実際に寝返りをしやすくするためにはどのようなトレーニングをするとよいのかという点についてご紹介していきたいと思います。


腕のねじり運動



方法

  1. 仰向けになり両手を組みます

  2. 組んだ手を見ながら腕を左右にゆっくりとねじります


足のねじり運動


  1. 仰向けになります

  2. 膝を軽く曲げ膝を立てます

  3. ゆっくりと膝を左右に倒して足動かします


首のねじり運動



  1. 仰向け、もしくは椅子に座ります

  2. 首を左右にゆっくりとねじります

  3. 首を動かす際には目線も一緒に動かすようにしましょう


寝返り運動



  1. 仰向けになります

  2. 両手を組み、両膝を立てます

  3. 腕を左(右)にゆっくりと倒します

  4. 腕を倒したままにしながらゆっくりと足も倒します

※3,4は逆にして行ってもOK


今回ご紹介した方法はトレーニング方法の一部になります。


お身体の状態や動かしやすい部分は人それぞれ違いがあるため、ご自身に合った方法を見つけることが必要です。


どのような動きが良いのか、どのように練習したらよいのかについては理学療法士や作業療法士などにご相談ください。


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