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屋外歩行で必要な注意機能とは?注意の種類、機能を高める二重課題トレーニングをご紹介



「屋外を歩く時に必要な注意機能について知りたい」


「屋外を歩く時、どんなことに気をつけるべき?」


「屋外歩行で困らないように対策をしておきたい」


そんな思いを抱える方は多いと思います。


屋外は屋内と違って、人通りの多い道や足場の悪い道など、慣れない状況が多くあります。


屋外歩行中の転倒や交通事故など、危険を避けるためにはどのような "注意" が必要なのでしょうか。


この記事では、屋外歩行で必要な注意機能、注意の種類、注意機能を高める二重課題トレーニングについてご紹介します。


【目次】




注意機能の4種類について


そもそも "注意" とは、どのような機能なのでしょうか。

人間は、感覚や記憶、思考など多くの情報を得ながら行動しています。

しかし、多くの情報を得るだけでは混乱するので、上手く処理しなければなりません。

その、情報を上手く処理するために必要な機能が "注意" なのです。


注意機能は、4つの種類に分けられます。

ここでは、注意機能の4種類(Sohlbergらの分類)について、例を挙げて解説します。


持続性注意


持続性注意とは、「続ける能力」のことです。

つまり、何かの作業を行う時に、その作業を最後まで続けたり、繰り返して行える能力を示します。

持続性注意に問題があると、作業の開始当初は順調でも、時間が経つに連れてミスが多くなったり、作業のスピードが遅くなったりします。


例)学校の授業が終わるまで勉強に集中し続ける


転換性注意


転換性注意とは、「切り替える能力」のことです。

つまり、2つの異なる作業を交互に行うために、柔軟に対応する能力を示します。

転換性注意に問題があると、作業Aをしているときは作業Aに、作業Bをしている時は作業Bに集中しなければならないのに、AとBの情報が混合してしまい、AとBを上手く切り替えて作業を行うことができません。


例)テレビに集中しながらも、声をかけられると反応することができる


選択性注意


選択性注意とは、「取捨選択する能力」のことです。

つまり、多くの情報から、特定の必要な情報だけを選び、処理できる能力を示します。

選択性注意に問題があると、騒々しく注意散漫になりやすい状況ではミスが多くなり、効率的に作業をこなすことができません。

また、心配事や気になることに気を取られて作業に集中できなくなります。


例)買い物の時、たくさんの商品が陳列している中から、自分が欲しい商品を見つける


分配性注意


分配性注意とは、「同時にこなす能力」のことです。

つまり、いくつかの作業を同時に処理することのできる能力を示します。

分配性注意に問題があると、2つ以上の作業を同時にこなすことができず、1つの作業に集中し過ぎてしまい、他の作業がおろそかになってしまいます。


例)魚が焦げないよう気にしながら、野菜を切ったりお味噌汁の火加減を調整したりする


屋外歩行で必要な注意機能について


注意機能4種類をご紹介しましたが、屋外歩行ではどのように機能しているのでしょうか。


屋外歩行では、さまざまな状況を同時にこなしていく「分配性注意」を必要とする場面が多く存在します。


ここでは、屋外歩行で必要な注意機能について解説しますので、実際の屋外歩行を想像しながら読んでみて下さい。


不整地や段差を把握して転ばず歩く「分配性注意」


屋外歩行と注意機能を調べた研究で、「不整地を歩く場合、平らな道を歩く時よりも体を安定させて歩くための労力が必要となり、その分、周りの状況に注意が向きにくくなる」と報告されています。


屋外は屋内と違い、平らな道をまっすぐ歩くような状況はほとんどありません。


雪道や凍結した道、雨などで滑りやすい道、階段、凸凹道、坂道、ガードレールなど、たくさんの障害物で溢れています。


このような状況で転ばずに歩くためには、体の安定と不整地の認識を同時にこなさなければなりません。


周囲の人や車に配慮してぶつからず歩く「分配・転換性注

意」


脳卒中の方を対象に屋外歩行中の視線を調べた研究で、「脳卒中を発症した方は、歩行中下向き傾向となり、不整地や段差に対して視線がいきやすい一方、視線を他の物に瞬時に切り替えにくい」と報告されています。


屋外では、人混みの多い繁華街や騒音が鳴りひびく町、車や自転車が歩道近くを走る道などを歩く機会が少なくありません。


そのような状況で考え事をしながら歩いていると、急に方向転換してくる自転車とぶつかる可能性は高く、危険に溢れているのです。


周囲の状況に素早く反応し、注意を切り替え、対応していくことが必要になります。


信号のタイミングを読み横断歩道を渡る「分配・選択的注意」


屋外を歩く時、横断歩道を渡る機会は多くあります。

短い横断歩道なら渡りやすいのですが、長い横断歩道は渡りにくく、信号が点滅し始めて焦った経験のある方は多いと思います。


横断歩道では、周囲の騒がしい状況の中から信号機に注目し、点滅のタイミングを予測し、効率良く渡る必要があります。


道のりを間違えず目的地まで歩き続ける「分配・持続性注意」


屋外を歩行して外出する際、効率良く目的地までたどり着く必要があります。

人や物に気を配りながら、道のりを把握しておかなければなりません。


出発したばかりの時は、道を間違えないよう意識して歩いていたはずが、長い時間歩き続けると疲れてしまい、曲がるのを忘れて通り過ぎてしまう方は多いです。


注意を持続できる時間が長いほど、ミスも少なく効率的に目的地までたどり着くことができると言えます。


屋外歩行で必要な注意機能を高める二重課題トレーニングについて


屋外歩行で困らないためには、注意機能を高めることが必要です。

ここでは、注意機能を含めた全般的な認知機能の向上、転倒予防にも効果的な「二重課題トレーニング」をご紹介します。


二重課題とは


二重課題とは、2つの事を同時に行う課題です。


例えば、人混みを歩く場合、歩きながら(運動)人を避ける(注意)という2つの課題をこなしています。


二重課題の研究で、「歩行中に話しかけると立ち止まってしまう高齢者は、将来転倒するリスクが高い」という報告があります。

つまり、話しかけられても(注意)歩き続ける(運動)という二重課題を示しています。

二重課題とは、すなわち「分配性注意」のことを示します。


前項でも述べたように、屋外歩行では分配性注意を必要とする場面が多いため、分配性注意機能を高めることは、転倒や交通事故などの危険を避けるために効果的なのです。


二重課題トレーニング「コグニサイズ」


二重課題トレーニングの1つに、コグニサイズと呼ばれる運動があります。

コグニサイズとは、認知(cognition)と運動(exercise)を組み合わせた造語で、運動と脳トレを組み合わせたエクササイズのことを示します。

例えば、「計算(100-3の連続引き算)をしながら歩く」「しりとりをしながら踏み台昇降運動をする」などです。


コグニサイズは、中等度のきつさの全身運動であること、脳トレは難し過ぎないこと、週に3回以上行うことで効果が上がるのがポイントです。


まとめ


屋外歩行で必要な注意機能と、注意機能を高める二重課題トレーニングをご紹介しました。

屋外歩行中の転倒を調べた研究によると、「転倒の不安が少ないない人ほど危険に対する注意力が低い」と報告されています。


言い換えると、危機感のある人ほど注意力が高く、安全な屋外歩行ができると言えます。

屋外歩行で必要な注意機能を高め、安全に外出できるよう心掛けることが大切です。


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